男性ホルモンの発見と研究について

男性ホルモンの発見

男性ホルモンが見つかったのは、 1931年、ブーテナント博士が男性ホルモンのアンドロステロンを発見しました。

その後、性ホルモン(エストロゲン及びアンドステロン)を同定したブーテナント博士は、1939年にノーベル平和賞を受賞しています。

男性ホルモンは、少量ながら全身に影響を与えていることがわかってきました。

その後、男性ホルモンの作用だけではなく、減少に伴う影響に対する研究が進んできました。

1944年のアメリカの論文発表によれば、男性更年期障害の患者に男性ホルモンであるテストステロンを注射したところ、急速かつ劇的に症状が改善したそうです。

アメリカでは、男性ホルモンの減少が心身に及ぼす影響についての研究が相当進んでいます。

男性ホルモン発生のしくみ

体の中では、脳の視床下部という、温度や知覚などの外界からの情報と感情を集める強大な脳組織から性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)というホルモンが分泌されます。

それに応じて脳下垂体というホルモン生産工場から性腺刺激ホルモンである黄体形成ホルモン(LH:Luteinizing hormone)と卵胞刺激ホルモン(FSH:Folliclestimulating hormone)が分泌されます。

LHは、精巣でテストステロン分泌を促し、また、FSHは、精子を作ります。

これらのホルモンにより精巣は大きくなり、それまでの小さな精巣は、10gを超えて大きく張りがある形になります。

男性ホルモンが分泌されるようになると、男を自覚するようになります。

男性ホルモンは、テストステロンの他にジヒドロテストステロンDHT:dihydrotestoterone)、デヒドロエビアンドロステロン(DHEA: Dehydroepiandrosterone)、アンドロステロン(andsterone)、アンドロステンジオン(andorostenedione)があります。

この中でメインの男性ホルモンがテストステロンです。

男性ホルモンの原料は、コレステロールで、男性ホルモンのテストステロンは、睾丸(精巣)で作られ、全体の95%を占めていて、残り5%が副腎で作られるDHEAです。

ダイエットや菜食主義を続けていると原料であるコレステロールが不足して、男性ホルモンのテストステロンの分泌が減ることがあるようです。

また、テストステロンとDHEAは加齢によっても減少していきます。

男性ホルモンの主な作用とは

男性ホルモンは、10代後半に分泌量がピークをむかえます。

20代から30代にかけては、1日に約14.3pg/m1~16.8pg/mlの男性ホルモンが分泌されると言われています。

ただし、この量には個人差があり、多い人もいれば少ない人もいます。

男性ホルモン(テストステロン)は、筋骨隆々、精力絶倫ということがイメージされますが、テストステロンの主な働きとしては、そのイメージ通り、骨や筋肉を大きくし、男性特有の筋肉質な体のライン、「筋骨隆々」を作り上げます。

また、内臓脂肪が付くのを抑えたり、造血作用や動脈硬化を防ぐ作用のほか、性欲や精子の形成にも働きます。

テストステロンは、更に、脳、前立腺や陰茎、あるいは毛根にある毛嚢においては、5α還元酵素の働きでジヒドロテストステロン(DHT)に変換されます。

DHTは、テストステロンよりも作用が強く、男性機能や皮脂の分泌、体毛の発育を促す働きもします。

テストステロンとDHTが働く臓器は、次のとおりです。

男性ホルモンが作用する組織
テストステロン ジヒドロテストステリン
精上皮
精巣上体
下垂体 精管
腎臓 前立腺
筋肉 陰茎
顎下線 毛嚢
皮脂腺

男性ホルモンは、男としての外見と主な特質を規定するのが、その大きな仕事と言ってよいでしょう。

テストステロンの作用と機能が最近になってわかってきました。

さらにテストステロンは、精神活動や謁可化を司る細胞小器官であるミトコンドリアの健康を保ったりする様々な作用が最近解明されてきました。

したがってテストステロンが減ってしまうと性機能だけでなく、ものごとの判断力や記憶力などの認知機能がダウンし、また元気がなく抑うつ状態になります。

筋肉量が減り、内臓脂肪が増え、また骨も弱くなります(骨粗しょう症)。

テストステロン低下症は体力面だけでなく、性機能や精神機能にも重大な結果をもたらすことから、新たな生活習慣病として重視されています。

ホルモンとフェロモンは違う物質です。

フェロモンという言葉には、性的な魅力や、男を引きつける不思議な力というイメージがあります。

フェロモンという言葉は、ギリシャ語の「運ぶ」と「興奮させる」という言葉を組み合わせたものです。

フェロモンという物質は、ファーブルの昆虫記の蛾の雌が雄を惹きつけるものとして知られていましたが、1959年にカールソン博士と男性ホルモンを発見したブーテナント博士達が、50万匹の雌カイコから性誘引物質を約20年かけて抽出し「ボンビコール」と命名したのが始まりです。

その後、数々の性誘引物質が発見され、これらを総称して、フェロモンと呼ばれるようになりました。

フェロモンは、「動物個体から放出され、同種他個体に特異的な反応を引き起こす化学物質」と、カールソンとブーテナントらによって定義されているように「特殊な化学感覚器で受容されて、性的な行動に限らず、特異的な反応(行動や生理的現象の変化)を起こす。」物質です。

ごく微量で効果を発揮するのは、ホルモンもフェロモンも同じですが、ホルモンは、自分の体内で分泌されて別の臓器などに作用する物質であり、フェロモンの方は、「自分以外」の誰かに作用して影響を与えます。

女性が男性の汗に含まれる物質の匂いをかぐと、気分が高まり、心拍数が上がるなどの反応がみられた、という研究結果があります。

これはアンドロスタジエノンがコーチゾールレベルに影響するというもので、メカニズムは分かっていませんが、男性から発する物質が女性の気分やホルモンにも作用することから、フェロモンに似た作用があるのではないかと言われています。

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