AGAは、男性にとって深刻な悩みの一つです。
日本人男性の場合、41人に14人が当てはまると言われています。
一体、なぜハゲるのか?
どうすれば防げるのでしょうか?
多くの男性にとって、「ハゲ」はED(勃起障害)と並ぶ深刻な悩みでしょう。
頭頂部や額の生え際がどんどん薄くなるハゲ、AGA(Androgentic Alopeciaの略。男性型脱毛症)は、男だけの悩みの一種です。
EDは、妻や恋人など特定のパートナーにしか知られないことが救いですが、ハゲは出会う人、全ての容赦ない視線にさらされます。
いくら髪型を工夫しても、症状が進めば隠しようもないし、いいカツラもありますが、何かのはずみで周囲にバレた時を思えばたまりません。
男も外見に無頓着でいられない現代ですから、毎日鏡で頭頂部を確認してはヒヤヒヤしている若者も多かもしれません。
アデランスが、2007年に東京都内の成人男性7467人を調査したところ、「薄毛率」は26.8%だったという調査があります。
日本人男性は、4人に1人がハゲということになります。
欧米ではもっと多く、3人に1人と言われています。
目次
ハゲに関する俗説は、どこまで本当なのでしょうか?
「男性型脱毛症」という呼ばれ方からもわかる通り、ハゲは男性ホルモンと深い関係があります。
テストステロン(主要な男性ホルモン)は、5αリダクターゼという酵素によって活性化し、DHT(ジヒドロテストステロン)に変わります。
このDHTが毛根に働くと、ヘアサイクル(毛周期)の異常が起こり、うぶ毛の段階で髪が抜けてしまいます。
しかし、4人に1人がハゲるということは、逆に7割以上の人はハゲないということですね。
それはなぜでしょうか?
ハゲの原因のほとんどは、遺伝の可能性が高いのです。
原因の99%は、先天的な遺伝と言われています。
多くの遺伝子の組み合わせによって、ハゲは起こると考えられています。
約3700人のAGA患者に調査した結果、「父がハゲだった」人は、51%、「父方、母方どちらかの祖父がハゲだった」人は、34%だったといいます。
意外なことに半分は、「父は無事だった」という計算になりますが、やはり父や祖父がハゲているとリスクが高くなるのは間違いないようです。
ハゲの予防は難しく、海藻を食べるといい、と言われますが、医学的には、何の根拠もない俗説にすぎないようです。
髪を洗わないと毛根に皮脂が詰まって脱毛が進む、という話も聞きますが、実際はあまり関係無いようです。
江戸時代の人は、月に一度くらいしか髪を洗わなかったようですし、いくら皮脂が増えても、それで髪が抜けることはないのです。
頭皮マッサージは、それなりに有効かもしれません。
頭皮のマッサージによって、「髪の密度」が増えたという報告もあります。(2011年、花王が第69回日本化粧品技術者会研究討論会で発表)。
しかし、これに懐疑的な意見もあります。
「マッサージをやり過ぎると頭皮がダメージを受けて、むしろ脱毛が進むのではないか」という意見です。
予防や治療は難しくても、「ハゲを進めるもの」は、広く知られています。
髪の大敵はストレス、暴飲暴食と言われていましたが、AGAは、円形脱毛症などとは異なり、ストレスとは、必ずしも関係しないというのが最近の定説となっています。
結局、食事や生活習慣でAGAを防ぐのは、極めて難しいというのが最近の定説となっています。
それでは、いったいどうすれいいのでしょうか?
「ハゲの原因」を元から抑える最も確実な治療法は「薬」と言われています。
例えば薬局で売られている外用薬のリァップ(ミノキシジル)は、毛乳頭内のIGF-1(インスリン様成長因子。細胞分裂を促進し、細胞の特性を高めるように働く)を増やし、毛母細胞の分裂を促す。
育毛作用は、確認されていますが、「効果はフィナステリドが一番」というのが、病院関係者の意見のようです。
フィナステリドは、5αリダクターゼの働きを抑えることで、テストステロンがDHTに変化することを防ぎます。
つまり、「髪が抜ける原因」を取り除くわけで、メカニズムから見ても育毛作用が大きく期待できます。
フィナステリドが配合された薬は、日本では「プロペシァ」や「ファイザー」という商品名で販売されています。
特にプロペシアは、「AGAの内服薬」として有名です。
東京のクリニックでの調査によると、3177人のAGA患者にプロペシア(1日1㎎のフィナステリド配合)を服用したところ、87.1%の人が改善したという報告もあります。
フィナステリドは、処方せんが必要で、一般には皮層科で処方してもらうことになります。
保険は、適用されないため自費診療になりますが、一ヶ月(1日1錠)の費用は8000~9000円程度になります。
1日1箱タバコを吸うよりも、安くすむ計算になりますね。
このフィナステリドには、「副作用でEDになる人も多い」という噂も根強く残っています。
しかし、理論的にはあり得ないことで、フィナステリドをのむと、血中のテストステロン濃度はむしろ上がるという報告もあるのです。
実際にEDになる人も数%いるようですが、暗示の影響が大きいのではないか、と言うのが大方の意見です。
しっかり、受診して決められた服用を守れば、フサフサの髪の毛を取り戻すことも出来と思います。