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オヤジ達を悩ませる「ちょい漏れ」とは?
駅のトイレであわてて用を足し、ホッとしてジッパーを上げた直後。
居酒屋のトイレで用をすませ、ドスンと席に戻った瞬間、ジワッと股間に来るイヤな感触。
量は、大したことない。
放っておけばすぐに乾く程度だ。
しかし、不快感もさることながら、誰かに気付かれたらどうしよう・・・。
オヤジ達諸君は、覚えがあると思います。
頻度はともかく、「オシッコ後のちょい漏れ」は、男であれば年齢を問わず起こることだと言います。
これは、若者でもピチピチのズボンをはいていると起こしやすいと言いますが、40歳代後半から増えてくるようです。
2013年に152人の男達を対象に花王が行った調査によると、「ちょい漏れ」が気になる人は30歳代で18%、40歳代で21%、50歳代で32%、60歳代で34%、70代で36%となっています。
50歳を超えれば、3割以上の男たちが「ちょい漏れ」を気になっているとはすごいことですよね。
みんさん口には出しまませんが、密かに悩んでいることがわかりました。
ここで安心してはいけません。。
「ちょい漏れ」の原因は、「球海綿体筋」の衰え。
これは膀胱にたまった尿が出てくる「失禁」とは異なるものです。
ちょい漏れは、排尿後、尿道の奥に残っていた尿が出てくる現象。
女性の尿道は3cmくらいしかないので起こりません。
病気ではないですが、男性特有の「わずらわしい症状」と言うことです。
ちょい漏れは、専門用語で排尿後尿滴下です。
ちょい漏れのことを、医学的には「排尿後尿滴下」と言います。
英語では、PMD(post micturition dribble)と言います。
「ちょい漏れオヤジ」は、カッコ悪いですが、「実は俺、PMDなんだよ」と言うのはありかもしれません。
尿道の中でも尿が溜まりやすいのは、ちょうど陰のう(袋)の真上に当たる「球部尿道」という部分です。
海綿体(ペニス)との境目で、ほかの部分に比べて太くなっています。
ズボンがきついと、放尿時にペニスの根元が持ち上がりやすくなります。
そのため球部尿道に尿が残り、若者でも「ちょい漏れ」を起こしてしまうわけですね。
まずはペニスを圧迫せず、のびのびと放尿することを心がけた方がよいでしょう。
ではなぜ40歳代後半から増えるのでしょうか?
その答えは老化現象が一番の理由らしいです。
球部尿道の周りには、球海綿体筋という筋肉があり、ここが収縮することで球部尿道にたまった尿がしぼり出され、勢いよく射精もできる。
PMDになる最大の原因は、年を取ってこの球海綿体筋の力が弱くなることが原因と言われています。
オヤジになると、若い頃に比べて精液の飛び方も弱くなる。
これも球海綿体筋の衰えが原因です。
また、勝脱の出口にある前立腺の肥大でも起こるのです。
前立腺が肥大すると尿の流れが悪くなり、球部尿道に尿が残りやすくなります。
実際、前立腺肥大症の薬を飲むとPMDも良くなることが多いのです。
ただし、排尿トラブルの中でも、PMDと夜間頻尿は、薬物治療が難しいと言われています。
では、どうすれよいのでしょうか?
大事なことは、モノ本体ではなく、会陰部をこすると「ちょい漏れ」には効果があります。
ちょい漏れの対策は、大きく分けて二つあります。
「ミルキング」と「骨盤底筋体操」です。
PMDに悩む男達49人(36歳~86歳)に3カ月間ミルキングか骨盤底筋体操を続けてもらったところ、どちらも症状が改善したことが確認されています。
ミルキングとは、どのようなもの?
ミルキングとは、「牛の乳をしぼる」ように尿をしぼり出すことです。
用を足した後、ほとんどの男達は、ペニスを振って水気を切りますよね。
指でペニスをしごく人も多いですが、これはミルキングとは、ちょっと違います。
尿が残っているのは、奥の球部尿道なので、ペニスを振ったり、しごいても出てきません。
しごくのは、本体ではなく、もっと奥の部分です。
具体的には、「陰のうより後ろの会陰部」に指を当て、陰のうからペニス根元までを大きくこする。
トイレから出た後、無造作にイスに座るとPMDが起きやすいのは、この会陰部が押されるためです。
ミルキングは、立ったままでも可能ですが、人目が気になる場合は、個室に入って行えばいいですね。
管理人は、毎回「ミルキング」をやっています!!
骨盤底筋体操と、どのようなもの?
この体操は、女性の尿漏れ対策にもよく使われるトレーニングの一種です。
筋肉の衰えが原因なら、鍛えればいいという発想です。
骨盤の底、会陰部の周囲には多くの筋肉がありますが、肛門に力を入れると全体が収縮します。
問題の球海綿体筋も似ています。
3秒間、肛門を閉める。
20回続けて1セット。
これを毎日3~4セット続けるのです。
一見簡単なようですが、実際やってみると意外とキツく、長く続けるには意志力が必要です。
しかし、年を取って衰えた筋肉をトレーニングで若返らせるのは、アンチエイジングの王道です。
球海綿体筋が若返れば、PMDの改善だけではなく、あの輝かしい10歳代の頃の感覚が蘇るはずです。
最近は、男性用ナプキンも販売されています。
最近、特にPMDが注目されるようになり、2014年に花王、ユニ・チャーム、日本製紙クレシアなどが相次いでPMD用の「男性用ナプキン」を発売始めました。
ミルキングや骨盤底筋体操だけでは、心配な人は、利用を考えてもいいかも知れません。
いずれもオムツではなく、下着に貼りつける手軽なナプキン式です。
人から気付かれることもないし、一回貼れば一日中使えます。
装着時の違和感もほとんどないようです。
PMDは病気ではないですが、時には、前立腺がん、前立腺肥大症、過活動跨耽など、本格的な病気が潜んでいることもあるようです。
尿意切迫感が異常に強い、尿が途切れる、勢いが弱い、なかなか出ないなど、PMD以外に気になる症状を感じたら早めに泌尿器科に行って、治療を受けましよう。
その結果がアンチエイジングにつながります。